みずたまり。
蝉の鳴く青い空。
耳を塞げど脳を掻き毟る。
頭の中が五月蝿くて、
手首を泣かせて黙らせた。

-諦観-
-失笑-

目に見えるものが世界の全て。

-絶望-
-遮断-

優しく背中を背中を押す声がする。

-生存-
-継続-

死を否定するだけの生の価値は何?

-制裁-
-贖罪-

私刑を施行する。

「アカク」

広がるみずたまり。
通り雨に滲む。
健常者の見世物、
見下ろして嗤うが良いさ。

「トヲク」

居ないはずの君の声が聞こえた気がした。
戻れない場所、約束は遥か彼方。

高鳴る鼓動に身を任せ、
アスファルトを求めた。

「全て夢ならば」

呟いた僕は何故か笑っていた。
赤いみずたまりの中で。